映画「国宝」見てきました。吉沢亮も、横浜流星もすごい演技だった。
長い映画で、途中辛い所もあったけど、一般庶民に分かりやすく歌舞伎の世界を見せてくれた良い作品だった。
舞台は昭和
今、ジャニーズの暴露問題や、京都の元舞妓さんの告発本などで、華やかな世界がそう良い事ばかりじゃないという事が分かってきた。
告発によって、ホワイトな社会になって楽しく芸を磨くことができるようになると、国宝になるくらい芸を極める人は減ってしまうのだろうか?
世襲でなく、才能がある一般人がどんどん歌舞伎をやれるようになったら、歌舞伎界は変わるのだろうか。
こればっかりは分からない。
でも、昭和の空気感がアラフィフの私には分かる。
スターは今よりも会う事が出来なくて、今よりも遠い存在だった。
やくざの世界も歌舞伎の世界も遠い世界
喜久雄は才能があったけど、半ニ郎に見つけてもらわなかったら埋もれていたのだから運が良かったよね。
見つけてもらっても努力しなかったら上手くならないから本人の努力は大きいです。
俳優さんたちに指導をするとき、肩甲骨を寄せて姿勢を良くするよう言ってたそうです。肩甲骨をめちゃくちゃ寄せる稽古(?)のシーンもあった。鬼気迫る。
主役の喜久雄はよくモテる
喜久雄(吉沢亮)は、やくざの子。やくざであるお父さんを目の前で殺され、失敗したけど敵を討とうとします。子供なのに。

顔が綺麗だけど性格は男っぽい
背中に入れ墨も掘ります。
かたき討ちの後、天涯孤独になり、花井半ニ郎にひろわれ芸に励みます。
応援したくなりますね。
映画に出てくる女性たちは、皆、喜久雄を我慢強く支えてくれるのです。
芸を極める
喜久雄のライバル歌舞伎界の御曹司 大垣俊介(横浜流星)は、明るくいい子で
一緒にストイックに踊りの練習をして芸を磨きます。
この映画のテーマの一つに復讐があるんですが、敵を討つのは、刀でもピストルでもなく、芸を磨くこと。と半ニ郎は言います。
誰も文句がいえなくなるくらい、守ってもらわなくても良くなるくらい芸を磨くこと。

実力があれば怖くない
とはいえ、マスコミに叩かれたり、力がある人に冷たくされたらやっていけない厳しい世界。
エンタメ
歌舞伎なんて、お金かかりそうだから、一般庶民にはね、と思ってましたが、調べると4千円くらいから見られるみたい。お能もそうでした。
高い席と安い席がある。
四国だと香川のこんぴら歌舞伎と愛媛の内子の歌舞伎がみられるみたい。
江戸時代から続くエンタメですもんね。
喜久雄と俊介が話しているのを見るのだけで眼福だったのに、女形を二人で演じているシーンは美しかったー。
肩の力を抜いて鑑賞すればいいのだけど、この映画を見る間ずっと力がはいってたわ。
人をだましてお金を儲けようなどどいう悪い人は出てこなかった。良かった。