香川にモスクができるまで

在日ムスリム（イスラム教徒のこと）奮闘記　岡内大三

読みました。イスラム教ってなじみが無いので、なんだか怖そうだという先入観は誤解でした。

本には、主人公フィカルさん達が差別される描写があります。じろじろ見られたり、９・１１事件からは「テロリスト」といわれ石を投げられる人もいました

ほとんどの人がいい人なんですよ。アジア系の人たちの犯罪がニュースになることがあっても日本人だって毎日犯罪でニュースに出ているんだから、人によるのよね。

フィカルさんは、インドネシアの人

日本に出稼ぎに来て、家を買ってあげるという目的で、来日して鶏肉加工会社で３年働いて帰るつもりだったフィカルさんは

日本人のお嫁さんを見つけて日本に住むことにします。奥さんもイスラム教に入りました。インドネシアで結婚式を挙げ、たくさんの人に祝福され、今はイスラム教のお祈りは奥さんの生活の一部になってます。

その後子供も生まれ、もう少し良い給料をもらいたいから、溶接を学んで造船の道に入ります。

イスラム教の人にとって、お祈りの時間や、皆で集まることはとても大事な事です。日本にモスクを立てるのはすごい困難だっただろうけど、戦時中に神戸にモスクができて以来、技能実習生がくる地方にも、ちょっとずつ増えているらしいです。

フィカルさんもインドネシアの技能実習生や、留学生たちが集まれる場所があればいいのにと寄付を集め、モスクにする物件を探します。

イスラム教は以下の二つに分かれています。

９０パーセントの人が「スンニ派」伝統の実践　一日５回お祈り。フィカルさんはスンニ派です
１０パーセントの人が「シーア派」アリーの子孫から学ぶ　一日３回お祈りする、こっちのほうが緩い
国によって戒律がちがうそうです

モスクって何

この本によると、モスクは偶像崇拝しないから、仏像やマリア様の像のようなものも置かないし、建物も何でもいいんだそうで

身を清められるところとお祈りするところ、できれば男女が分かれることができればくらいで、皆が集まれる便利なところなら何でも良いそうです。

イスラム教の人たちは神様と直接つながっているので、イマームというキリスト教の牧師さんのような人が来てお話をすることもあるけど、上下はなく組織にしないそうです

トルコの首相が東京にあるモスクに来た時も、皆と一緒に平等にお祈りしたんだそうですよ。

不動産屋さんは、欧米人ならそんなに警戒しないけど、アジア系の外国人には親切ではないのでモスクにできる物件を探すのは苦労します。

コーランは１４００年前にムハンマドが神様から啓示があったことを書いたもので、飲食のことから、もめごとの対処法までかいてあるとか

コロナ禍での助け合い

コロナ禍で困ったムスリムの人は、仕事を持っている人より留学生たちでした。香川では留学生に寄付金をあつめて食べ物を買って持って行ってあげました

日本のムスリムコミュニティでも助け合いをして、インドネシアに防護服を送ってあげたりしたようです。

インドネシアの政府は汚職とわいろばかりで頼りないらしいのだけど、こんなコミュニティがあれば、自分が困った時も安心ですね。国が頼りないから国民が結束したという見方もできますね。

女性が被り物（ヒジャブ）をしているのは、男性は女性が気になるし女性の髪はきれいだから隠しておくということです。

愛媛県には新居浜にモスクがある

敷物が一つあれば、そこは彼らの祈りの地になる。（２５１ページ）世界中のどこでもという文章がありました。

これからイスラム教の人と知り合うことがあるかもしれないなあ

人は弱くてすぐ過ちを犯すという世界観で、人の弱さを受け入れているからこそ助け合いするんだそう「自己責任」っていう考えではなく寛容です。

無宗教の人が増えている

イスラム教の人達が何を大事にしているか、宗教の考えが分かると分かりやすいですね。

私は、クリスマスはキリスト教。正月は神道。亡くなったら仏教という日本人の大多数の無宗教の人だけど、宗教の考え方を聞いたり、修行したお坊さんの話を聞くのは好きです。

愛媛には、新居浜にムスクがあります。イスラム教の人は移住しやすいよね。

イスラム教の人とご飯を食べるときは、ファミレスがいいそうです。豚肉が入ってないメニューを選択しやすいから。お酒と豚肉を食べられないからハラールフードを探すそう。ハラールのコーナーは、業務スーパーや、大きいドン・キホーテにもあるんですよ。

宗教に入っちゃうと、それだけに限定されてしまいそうだから、色んなものを見てみたい好奇心の強い私は無宗教がいいんだな。今無宗教の人が増えてるみたいですよ。