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会って話すこと

本を読みました。

田中泰延さんの、「会って話すこと」です。田中さんは大阪人のライターです。大阪の人のイメージは、世話焼き、コミュニケーション上手、面白いです。

コミュニケーションの本の内容が、新しい!と思ったので感想書きます。

目次

人のことを聞かない

なんですって、人の話を聞くことって一番基本じゃないの?っておもいましたが、実際会話しているときに思うのは

家も財産も家族のことも、皆それぞれに違うので、例えば不登校の子がいたり、病気の人と同居してお世話をしている人と、家族の心配もお金の心配もなくて働かなくてよいので趣味に時間をつかえる人が自分の生活の話をすると、大変な立場にいる人が趣味の話を楽しく聞けるとは思えません。そっとしておいてほしい

同じ立場の人が集まって話をしたら共有できるものは多いかもだけど。

悩み相談にもアドバイスしちゃだめって言いますが、聞くだけって難しいよね

自分のことも話さない

著者は、人の話を聞き、私の話も聞いてもらわなければならないという考えを捨てたそうです。

面白い会話や、盛り上がる会話は聞く方にも知識が無いと楽しめない。とも書いてます。

そうよね、専門知識がある人の中に素人の私が混じったら解説が無いと何を話しているか理解できないもんね

難しい話はこまる

自分の話を聞いてもらいたいけど、自慢したり、解決できない愚痴を言ったり、人が傷つくことを話さない。

自分のことを話さず、外部のことを話す。と言っても政治のことや経済問題を話して議論になってしまうのは良くないので、どうでもいい話をするのが良いそうです。

しかし、どうでもいい話って時間の無駄って感じる人もいるよね。←後述しますが、このツッコミが余計なことなのです。

ボケにボケを重ねる

幼稚園児は、柔軟な感性で手でご飯をこねくり回したり部屋を汚したり大人にとっていらんことをして怒られてしまうものだったけど、周りの子供が大人になるにつれ、だんだんツッコミに回っていく子が増えて、まじめになり、いらないことをしなくなる

という流れで大人になっていきます。著者はツッコミは「マウンティング」と言います

だれかが日常を面白くするために掲げたボケを「私は賢くてお前はバカ」という主張がツッコミです

芸人さんは、仕事なんでツッコミ必要ですけど、普通の人間関係にはツッコミいらないって。正しいことを言って賢くふるまったり、人の話を止めてしまったりするのはつまらないことだとおっしゃいます。

審査員にならなくていい

普通の雑談でも、テレビのバラエティのまねをして話してたり、影響大きいなーと思いながら読み進めているんですけど

普通の会話で「ウケる」とか「おもしろい」とか「くだらない」とか「つまんない」とか審査しなくていい

人が話した話題を面白くするために話をつなぐか、笑っているだけでいい。

「いいオチがついたね」とも言わなくていい

人間が退屈で平凡な日常から解放されるひと時であればいいとかかれてます

人を面白がらせないといけないとか考えなくてもいいそうです。

人気がある芸人さんをみて、真似する気持ちはわかるなー

まじめな話

終始おもしろおかしく会話のことを書いている本だけど、まじめなことも書いてます。

対話の目的は、物事の分析ではなく、議論に勝つことでも意見を交換することでもない、いわば、あなたの意見を目の前に掲げてそれを見ることなのである

デビット・ボーム

アメリカの物理学者

なんと、議論でも意見を交換することでもないとは!

人と会話すると、どんなことを話していても人はちょっと傷つくものといいます。傷つけるくらいなら内容がなくてもいいのかも。

人間が人間に話をするときに必要なのはロゴス、パトス、エトスだそうです

  • ロゴスは論理構成
  • パトスは情熱、心
  • エトスは倫理、哲学

この中で一番大事なのはエトスです。この世界を自分はどうとらえていて、人生の目的は何か、どう良くしていくか。

そんなことを考えて話したことってないかも。

人生の哲学を会話に盛り込めると、内容がないなんてことは、無いですね。

壮大だ。自分をわかってないと目的なんて分からなそう。他人と話しているときに自分の考えがクッキリしてきてハッとすることもあるけど

人との距離の取り方

人と距離を詰めすぎて失敗することがあります。

仲良くなりたいと思って急に距離を詰めたら失敗する

この本には、自分がやるべき仕事をして、能力を発揮したら相手が向こうから近づいてくると書かれています。

あと、会話ってテクニックじゃなくて、失礼なことを言っても愛される人もいて、いつも上機嫌な人のそばにはたくさんの人がいる。とも。結局人格と相性か

仲良くなりたい、好かれたいと思って人に近づくより、上機嫌で人に信頼されてたらOK 

人間関係がうまくいっている人

本とは関係ないかもしれないけど、違う場所から転入してきて、地域にとけこんで、友達がいっぱいいる子を観察してみると、周りにとても気を使っているのがわかりました

細かいことなら、閉店時間ぎりぎりに病院に行かないとか、下の階に住んでる人に音で迷惑かけないように工夫するとか。

人のことも良く見ているし、本当に細かいことに気遣いができています。

お店で働いていると店員のミスに過剰反応する人がいるんだけど、嫌なことがあったのかな、やつあたりかな?って思うことも

レジで誤って渡しすぎたレジ袋をちゃんと返してくれたり、ミスを許してくれるお客さんもいます。ありがたや

好きっていう言葉

最後に、この本に紹介されていた言葉

好きって言葉はつかわないということ

それよりも、その人と同じものをみて一緒に過ごす時間のほうが大事って。

「好き」って告白したら、付き合うか、断るかの2択になってしまうもんね。伝えなくても一緒にいるって。全文本に載っていたのでこちらにも載せます

こども電話相談室より

好きな人に告白する言葉を教えて (小6・女の子)回答 永六輔さん

言葉は一番大切です。でも、好きな人に「あ、この子好きだな」とか「いい人だな」と思われるには、「おなべをいっしょに食べて同じものをおいしいと思う」、「夕やけを見て、両方が美しいなと思う」というような同じ感動を同じ時点で受け止めるのが一番効果があります。
例えば、「いただきます」とか元気な声で言っていると、それだけで「あの子いただきますって言ってるな。きっといい子なんだろうな」と思うじゃないですか。「あなたがすき」ですとか、「キミを僕のものにしたい」とか、「世界のどこかで待ってる」とか、そういうのはあんまり効果がありません。
「きれいだな、おいしいな、うれしいな」ということが同時に感じあえる環境が一番大事。だから、「好きです、嫌いです」という言葉ではなく、いい言葉を使っている子は好きになれる。「あの人ならこの言葉は好きだろうな」と思った言葉を何気なく使っているときの方がドキンとします。「あなたが好きです」というのは最悪な言葉です。
だから、いっしょの環境にいるときに同じ感動をする場面に出来るだけいっしょにいる。スポーツの応援でもいいです。そうすると、使いあっている同じ言葉にドキンとすることがあって、それが愛なんです。
自分でいうのもおかしいけど、ひとりでご飯を食べてておいしいことないです。ひとりで野菜を食べているときは本当にさみしい。やっぱり家族、好きな人といっしょのほうがいい。二人っきり、まずはふたりになること。きれいな言葉を使いあうこと、きれいなことに感動すること、ふたりで声をそろえて感動してください。

こんなこと考えたことが無かったです。楽しい時間を一緒に過ごせる人がいるってそれだけで幸せなことだなあ。

アラフィフの私はそんなことを思いましたが、次男は、好きって告白する人の勇気はたたえてあげてほしいと言ってました。

今エンタメ多すぎだから、ただ一緒に過ごす時間って無いかも。それを考えると学校行事で拘束される待ち時間にも意味があったのかも

家族で一緒にいるけどいてない

家族で一緒にいるときも、旦那はテレビ、次男はyoutube、長男はゲームをしていて私がご飯をつくっているとかバラバラだなあと思ってました。

どうなんだろうこれは。便利になった代償かなあ。

施設に働きに行ってた時

お年寄りが、難しい話はしたくない、何でもない話をしたいんよ

と言ってたことがあります。話を広げたいと色々聞いていると、認知が入ってたのでしんどかったみたい。

年をとるごとに、何でもない話をするのが良くなるのかも

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