一川 誠さんの本を借りて読みました。
千葉大学の時間学の研究者さんです。時間学なんて学問があるんですね
時間学とは
人間は五感で感じること、感じるための感覚器官(たとえば耳とか目とか)はあるけど、時間を感じる器官がないそうです。でも時間が流れている感覚は持ち合わせています。
- 怖いものと一緒の時間(ホラーやサスペンスを見ている時間など)は長く感じ
- 眠くてうつらうつらしている時間は早く流れる
ということで分かるように人は時間の流れる速さを勘違いします。
時間には物理的な時間と心理的な時間がある
- 時計通りの時間=物理的な時間
- 様々な理由で伸びたり縮んだりする時間=心理的な時間
なんか難しいぞ
の二種類があります。
スマホを見ているとあっという間に時間がたっているのに、退屈な時間やカップ麺が出来上がる3分という待たされる時間は長く感じられる。
どちらも物理的には同じ長さなのに、心理的な時間の作用で短く感じたり長く感じたりするんです。
体の新陳代謝が活発な時は時間が長く感じる
山登りをしていて体を動かしているとき(代謝が早い時)は心理的な時間が早く進みます。物理的な時間はいつもと変わらず進んでいるのに心理的な時間が早く進むので、ゆっくり時間が進んでいるように感じられます。
逆に代謝が落ちていると、心理的な時間が進みません。それに対して物理的な時間はいつも通りに進むので、時間があっという間に過ぎるように感じられます。
代謝によって音楽のテンポも違って聞こえます。代謝のおちついた朝はアップテンポに聞こえた曲も、代謝の上がった夕方はゆっくりに聞こえるそうです
代謝が関係するなんて、動いた方がいいのねー。
大人になると時間が早く進むように感じられる
大人になると体が大きくなります。
人間は自分の体の大きさで空間の大きさを評価します。なので、子供のほうが空間を大きく感じます。空間が大きいと時間が長く感じられるそうです。
そして体験の数も関係します。イベントが多いほど時間が長く感じられるのです
もう2つ、
あたりが明るいことと
音が大きく聞こえる
と時間が長く感じるそうです。
大人になったら知ってることばかりだから時間が早くたつのかと思ってたら、空間と明るさ、音も関係してるんですね
テンポの速さ
都会の人のほうがせかせかしているのは、公共交通機関が発達しているから。
電車やバスの乗り換え時間など間に合うように、急がねばならないことが多いだろうし、渋滞のない田舎を車で目的地に行くのとは心理的にえらく違いますよね
マルチタスクと携帯
2つの仕事を同時進行でやるのは良くないです。時間があっという間に過ぎます。
お休みの日の体感時間を長くするには、
いつもと違う事をして体を動かし、面白い本を読んだり映画を見たりするといいです
倍速で見たりせず、映画の知識を前もって調べてから見たり、ディテールに注目してみると体験される出来事の数が増えて、時間をゆったり感じることができます。
野外フェスに行ったり、違う年代の人と遊ぶのもいいそうです。刺激がありそう。
要約したものを聞いてばかりだと本や映画のように間を楽しむことはできないですね。
実際の体験の濃さは違うよね
振り返りの時間
日記などを書いて一日を振り返る時間、大事だそうですよ。振り返ることにより記憶に刻まれ、満足度が高まります
他にも時間を有効に使う方法がたくさん書いてあります。心理学の知識も沢山です。
この間読んだYOUR TIMEと同じことをこの本にも書いてある。
時間に厳密な社会。ちょっと電車が遅れても腹が立つ人は、時間に追われるストレスで腹が立ってるんじゃないかな。時間を大事に使うことを考えてみようと思います。